2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730296
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
犬飼 知徳 香川大学, 経済学部, 准教授 (60380143)
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Keywords | 集合財 / 見えざる経営資源 / ダイナミズム / 意図せざる結果 |
Research Abstract |
本研究の全体構想は,分権的な組織における組織成員の自律性・自由度と組織上層部の統制のバランスが,組織全体の成功と衰退にどのような影響を及ぼすのかを明らかにしようとするものである. 本研究では,補助金の交付期間内に,分権的な組織において,ただ乗りをする組織成員が組織の変化対応能力に影響を及ぼすメカニズムを解明したモデルをいくつかの事例研究に基づき提示できると考えている.その根拠として,本研究の担当者は,上述の問題意識に基づき,フランチャイズ組織に関する研究業績を蓄積した上で,博士論文を執筆したため,上述のメカニズムを明らかにするための下準備はすでにそれなりに行っているからである. しかしながら,本研究は,一般的な理論構築を主眼に置きながらも,上述の事例の分厚い記述のみで実証を試みており,理論の一般性が十分に担保されていないという問題が残されている.この問題に対し,本年度は他のフランチャイズ・チェーンと分権的なプロフェッショナル組織に関する新たな事例研究を行った.出版されている文書資料を検討し,何件かの聞き取り調査を実施した. しかしながら,本年度は,著書を出版するための追加調査とその執筆に主眼を置いて作業を行っていたために,具体的な研究成果と呼べるものはない.ただし,本年度の研究に基づき調査結果の一部を投稿論文として投稿していることと,研究書の完成の見通しが立ったことから,来年度は2年分の研究成果を発表できると考えている.
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