2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22730300
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山藤 竜太郎 横浜市立大学, 国際マネジメント研究科, 准教授 (00432055)
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Keywords | 仲介機能 / ネットワーク組織 / 組織間関係 |
Research Abstract |
本研究の課題である「製造業における仲介機能に関する実証研究」について、平成22年度からの継続的な研究である「自動車産業を中心とするサプライヤー・システム」についての研究に加え、平成23年度の交付申請書にも記載した通り、平成23年3月11日に発生した「東日本大震災の被災地における製造業のネットワーク」についても研究を行うことが当該年度の目標であった。 自動車産業を中心とするサプライヤー・システムについては、本来は平成23年度に大規模な質問票調査を行う予定であったが、東日本大震災の発生により平成24年度に延期した。その代わりとして、先行研究の検討をさらに進めるとともに、東日本大震災の被災状況とサプライ・チェーンの再構築の過程について調査を行った。 東日本大震災の被災地における製造業のネットワークについては、現地調査も行い、ネットワーク組織論や組織間関係論の観点から分析を行った。その成果は平成23年10月の日本中小企業学会で発表し、査読を経て『日本中小企業学会論集』に「岩手県宮古市における産業集積:コネクタ産業における企業間ネットワークに注目して」として掲載されることが決定している(平成24年9月刊行予定)。東日本大震災の被災地の現地調査の成果は、『横浜市立大学論集』に「南三陸町の震災復興と地域産業」も収録された。 平成22年度からの4か年計画に対し、東日本大震災の発生の影響で平成23年度の研究内容は変更を余儀なくされた。しかし、本研究の課題である「製造業における仲介機能に関する実証研究」に基づき、平成22年度に蓄積したネットワーク組織論や組織間関係論の知見を活かし、東日本大震災の被災地の産業の調査と分析を進めることが出来た。このことは、東日本大震災からの復興という日本全体の課題解決にも一定の貢献を為し得るという意義があり、重要性を持つと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は2回の学会発表、1本の論文執筆、1冊の書籍と着実に成果を出しており、刊行は平成24年度(平成24年9月予定)であるけれども、学会発表の成果が査読有の論文として掲載されることが決定しているため、おおむね順調に進展していると自己評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続き本研究の課題である「製造業における仲介機能に関する実証研究」について、平成22年度からの継続的な研究である「自動車産業を中心とするサプライヤー・システム」についての研究に加え、平成23年3月11日に発生した「東日本大震災の被災地における製造業のネットワーク」についても研究を行う予定である。 平成23年度は後者の「東日本大震災の被災地における製造業のネットワーク」が中心となった側面があるけれども、今年度は「自動車産業を中心とするサプライヤー・システム」についても研究を進める方針である。
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