2010 Fiscal Year Annual Research Report
国際分業における取引関係の構築及びそのマネジメント
Project/Area Number |
22730302
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
高 瑞紅 静岡県立大学, 経営情報学部, 講師 (30420459)
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Keywords | 国際分業 / 取引関係 / 協働 / 技術提携 |
Research Abstract |
『経営と情報』に掲載した論文では、日本企業による生産の海外シフトと国際分業に関する先行研究を検討することによって、これまでの先行研究で扱われていない論点を指摘し、今後の研究課題を明らかにした。欧米企業であれ日本企業であれ、これまでの国際分業についての研究では、主に企業内における立地分散に関心を置いている傾向が強く見られた。すなわち、企業が競争優位を持つため、立地優位性が失われた事業活動をそれに適した海外に移転する事によって経営資源を国内事業の高度化や新規事業の創出に転用するなど、国内拠点と海外拠点を棲み分け方に関する議論が多かった。しかし現状は、グローバルな生産や流通のネットワークの形成が進むにつれ、生産工程や開発段階において、より細かい機能分化や分散立地も目立つようになっている。同時に、ライバルである海外企業との企業間分業も急速に進展するようになった。そういう意味で、今後は、これまで焦点が当てられてこなかった海外企業との企業間国際分業に分析視点を置き、国際提携関係の構築とそのマネジメントを検討する研究が必要となることを示した。このようなことを踏まえ、海外企業との国際分業において生じる問題について、企業の本社と国内拠点でのインタビュー調査を行い、海外拠点での参与観察とインタビュー調査も行った。文献レビュー及び企業調査の結果から仮説を構築し、学会での報告を行った。現在、事例研究の論文を作成し、学術雑誌に投稿している。
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