2011 Fiscal Year Annual Research Report
国内産業集積の存続と商人的リンケージ企業-繊維・アパレル産業集積の比較研究
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22730316
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
田中 英式 愛知大学, 経営学部, 准教授 (00410548)
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Keywords | 産業集積 / タオル / 今治市 / ネットワーク / リンケージ / 商人 |
Research Abstract |
本研究は、筆者の前回の科研費プロジェクト「産業集積の形成・発展とネットワーク-岡山ジーンズ産業集積の分析を中心に-」(2007-08年若手研究B)の成果と課題を踏まえて、岡山と同様の伝統的な繊維・アパレル産業集積である岐阜市と今治市の産業集積を対象として、集積内ネットワークの観点から、産業集積の存続の要因について調査・研究するものである。 平成23年度においては、今治市のフィールド調査の実施、および平成22年度に実施した岐阜市のフィールド調査結果の学会報告を中心に研究を行った。まず前者に関して、4~6月の間で今治タオル産業集積全体に関する二次データを収集して大まかな実態を把握した上で、具体的な調査対象企業を選定し、インタビュー調査のアポイント作業を行った。そして8月30日から9月2日にかけて今治市のタオル産業集積においてフィールド調査を実施した。この調査では、今治市のタオル製造企業5社、および四国タオル工業組合でインタビューを行い、取引関係から見た産業集積内ネットワークの構造、ならびに集積内での各企業の役割から見た集積内ネットワークの機能に関する情報を収集した。調査終了後、3月までの期間は、テープ起こし等、調査結果の整理・要約を行った。後者に関して、今年度は昨年22年度に実施した岐阜アパレル産業集積の調査研究成果を、7月の日本経営学会中部部会、および9月の日本経営学会全国大会で発表した。また上記以外に、今年度は、昨年度に『組織科学』に掲載された論文「産業集積内ネットワークのメカニズム-岡山ジーンズ産業集積のケース」が第27回組織学会賞(高宮賞)を受賞した。本論文については、6月の組織学会2011年度研究発表大会、および11月の日本地方自治研究学会関西部会において報告を行ったほか、組織学会の対外発信プロジェクトとしてweb上で英文版を発表することとなり、今年度はその英訳作業も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査時期や回数について若干の変更はあるものの、フィールド調査を中心とした調査研究はおおむね計画通りに実施できている。また、論文・学会報告等の研究成果の公表についても順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更や問題点等は特にない。本年度は本研究の研究期間の最後の1年であるため、特に追加・補足調査をしっかりと行った上で、研究成果を総括したいと考えている。
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Research Products
(4 results)