2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730349
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松田 康弘 東北大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (70451507)
|
Keywords | 管理会計 |
Research Abstract |
本研究は,当初は生産キャパシティの選択という問題に直面した経営者の業績評価をテーマとしたものである.平成22年度中は,この問題に直面した経営者がどのような振る舞いをするかを中心に研究をしてきた.その中で,ベースとしてきた不完備契約モデルを用いて,様々な現象を示すことのできる可能性に気づいた.当初は,本研究は経営シナリオについて経営者が私的に保有している情報と,それを反映するシグナルを通じた信念の改訂が核となる分析モデルを想定していた.しかしより一般的に,契約期間の途中で戦略の生産性についてのシグナルが手に入る場合に,それが契約関係にどのような影響を及ぼすかについて分析できる可能性を見いだした.そこで本研究は,信念の改訂と経営者の努力インセンティブ,特に契約期間中に戦略についての意思決定を経営者が行うという枠組みの定式化を目的とすることにした. よりビジネスに近い視点からは,以下のように研究を進めた.当初は経営シナリオについての情報入手がどのように経営者の投資や努力のインセンティブに影響するかを分析すべく研究を行ってきた.その結果,平成22年度の後半に,ビジネス・ストラテジーに関する情報の入手や意思決定についての分析モデルについて,一定の方向性見いだすところまで研究を進めることが出来た.平成23年度はこれに続く成果を出す予定である.
|