2011 Fiscal Year Annual Research Report
経営者、アナリスト、資本市場の相互作用に関する総合的研究
Project/Area Number |
22730360
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
浅野 敬志 首都大学東京, 社会科学研究科, 准教授 (30329833)
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Keywords | 経営者予想 / 情報開示行動 / 利益調整行動 / アナリスト / 資本市場 |
Research Abstract |
今年度は3年プロジェクトの2年目ということもあり、昨年度に引き続き、主に重要文献の入手・サーベイ、およびデータベースの入手・整理を中心に行った。前者については、主に北米のTopTierと呼ばれる雑誌(Accounting Review, Journal of Accounting Research, Journal of Accounting and Economics, Review of Accounting Studies, Contemporary Accounting Research)を中心に本研究に関連する文献をチェックした。また、SSRNから最新のWorkingPaperを入手したり、国内外の学会に参加し、多くの研究発表を聞いたりして、最先端の研究にキャッチアップした。後者については、本研究には経営者の業績予想データ、アナリストの利益予想・レーティングデータ、株価データなどが必要である。今年度は、これらのデータのうちまだ入手していなかった年のデータを購入し、分析しやすいように整理を行った。現時点でデータベースの整理をほぼ終えたが、まだ不十分と思われる部分がでてくるかもしれない。その際には、継続して必要なデータベースの整理を行う予定である。 今年度入手した平成20年以降のデータは、100年に1度と言われる金融危機の影響もあり、市場全体が弱気のセンチメントに傾いた時期である。それ以前の強気なセンチメント時とは経営者、アナリスト、市場の行動が大きく異なると思われるため、行動ファイナンスをベースにセンチメントの議論を整理しなければならない。この点については今後の課題である。今年度の作業は全体的に、来年度以降の分析の基礎を固めるための準備作業であった。最終年度であるH24年度は、今年度の作業を活かすためにも、経営者、アナリスト、資本市場の相互作用に関する理論的かつ実証的な研究を積極的に進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年プロジェクトのうち2年を終え、本格的な実証分析に必要なデータを入手・整理することができた。また、TopTierと呼ばれる洋雑誌やSSRNから重要論文や重要WorkingPaperを入手し、複数の分析テーマについて、理論に基づく体系的な整理を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であるH24年度は、構築済みのデータベースをもとに、複数のテーマの実証分析を同時並行で行う予定である。分析結果はできるだけ多くの学会で報告し、多数の有益なコメントを論文に反映させるつもりである。
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Research Products
(3 results)