2010 Fiscal Year Annual Research Report
労働サービスの提供とストック・オプションの費用認識
Project/Area Number |
22730362
|
Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
鈴木 大介 麗澤大学, 経済学部, 助教 (00535536)
|
Keywords | ストック・オプション / 報酬契約 / 数値計算 / 展開型ゲーム |
Research Abstract |
国際会計基準(IASB(2004),par.10)や米国会計基準(FASB(2004),par.5)では,ストック・オプションについて,提供される労働サービスを直接測定し,それらを瞬時的な資産とみている.それを費消するから,費用が認識されるわけである.本研究の目的は,そうした考え方に疑問を提起した先行研究の大幅な発展にある.研究期間となる平成22年度は,財務会計や経済学,ファイナンスといった複数の分野と関連する文献のサーベイを徹底させ,ストック・オプションを付与した場合の株主と従業員等の意思決定のモデルを完成させることが中心となった.具体的には,Acharya et al.(2000)に関する勉強会を発端として種々の先行研究をサーベイし,効用関数,各制約,フォーカスポイントを整理し,本研究が取り組むべき要素を整理した.そのうえで,対象勤務期間などストック・オプションに固有の要素を盛り込んだ本研究の基礎となるモデルを展開型ゲームで表現し,パラメータの条件をもとにどのような均衡が生じるのかを整理した.これらの作業は,論文にするための必須の重要な作業であり,これまで順調に推移している.あとは,モデルがアメリカンである必要があるのかどうか,離職の可能性をどのようにモデル化するのかという問題が残っているが,この点は,それほど時間を要するものではないと考えている.
|