2011 Fiscal Year Annual Research Report
公共サービスにおける目標原価管理に関するフィールドリサーチ
Project/Area Number |
22730369
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
目時 壮浩 武蔵大学, 経済学部, 専任講師 (90548851)
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Keywords | コストマネジメント / 公共サービス / マネジメント・コントロール / 行政経営 / コスト情報 / 目標原価 |
Research Abstract |
本研究は、行政組織が提供する公共サービスの劇的なコスト低減と住民らの満足度の向上を同時に実現することを目論む目標原価管理の意義とその可能性を、質的研究方法に基づいて明らかにしようとするものである。昨年度実施したインタビューならびに観察の結果、本研究が企図とする目標原価管理の可能性を探求するためには、その前段階として行政組織のコスト情報の集計技術ならびに利用実態を明らかにする必要があると判断した。この点、本研究の研究計画では質的研究方法を採用する旨を記載しているが、コスト情報の集計技術ならびに利用実態を明らかにするためには当該研究方法は適していない。そこで、研究方法を変更し、わが国行政組織を対象としてアンケート調査を実施することとした。その結果、コスト情報を十分に集計している組織は比較的多くみられるものの、当該情報を意思決定や業績評価、資源配分(予算)などに役立てている組織はきわめて少ないことが明らかとなった。くわえて、コストの低減の必要性を認めながらも、住民満足との間のトレードオフ問題への解消方法に苦慮しているという実態も明らかとなった。当該分析結果をうけて、コスト情報を有効に活用している組織とそうではない組織との間にみられる特徴、ならびに、コスト情報の利用方法が組織のマネジメント・コントロールに与える影響についても分析を行った。以上の研究の成果として、学会発表ならびに学会誌への論文の投稿を行ったが、研究成果のすべてを年度内に公表することができなかった。現在、当該研究の成果をまとめるべく論文を執筆しており、これを学内紀要、ならびに学会等で報告することとなっている。
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Research Products
(2 results)