2010 Fiscal Year Annual Research Report
会計基準のコンバージェンスにおける基準開発の作用因・要点の解明
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22730375
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
中島 稔哲 関西学院大学, 経営戦略研究科, 准教授 (40313499)
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Keywords | コンバージェンス / 概念フレームワーク / 信頼性 / 忠実な表現 |
Research Abstract |
会計基準のコンバージェンスとともに,いわゆる概念フレームワークのコンバージェンスも進められている。国際会計基準審議会(IASB)/米国財務会計基準審議会(FASB)は,整合性を備えた原則に明確に基づいた会計基準を共通の目標とするとともに,この整合性を備えた原則は,慣習の集合でなく基礎概念に基づいたものでなければならないという考えを共有し,原則ベースの収斂した基準を開発するための基礎概念を提示するとともに,市場,実務や経済環境の変化を反映するべく,現行の概念フレームワークをアップデートし,かつ精巧なものにするよう進められている。 本年度は,会計基準の開発の基礎となる概念フレームワークに関するIASB/FASBの共同プロジェクトのうち,IASBが2010年9月に公表した『財務報告のための概念フレームワーク2010』(『2010FW』)について考察を行った。すなわち,『2010FW』が,IASBの会計基準の開発に対して有する含意を明らかにすることを目的として,まず,『財務諸表の作成及び表示に関するフレームワーク』における目的適合性と信頼性の意義ならびにその関係を確認した。次いで,『2010FW』の質的特性について,質的特性に関する信頼性から忠実な表現への変更,階層構造および基本的質的特性の適用を考察し,『2010FW』がIASBの会計基準の開発に対して有する含意を抽出した。それは,『2010FW』は,IASBの会計基準が,実体の意図に基づいた取引を分析し,これを表現するというよりも,実体の意図から切り離された現象を表現することを示唆している。すなわち,会計基準が,現象からの推論に基づいたものとして開発されることをも含意しているということである。
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Research Products
(1 results)