2010 Fiscal Year Annual Research Report
顔に疾患や外傷をもつ人々が直面する就労問題に関する実証研究
Project/Area Number |
22730383
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西倉 実季 東京大学, 文化情報学部, 助教 (20573611)
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Keywords | 差別・排除 / 障害 / ディスアビリティ |
Research Abstract |
英米の心理学的研究により、顔に疾患や外傷をもつ人々は、採用判断過程において低い評価を与えられ、職場でハラスメント被害に遭遇するなど、その容貌ゆえに就労をめぐる様々な困難を経験していることが指摘されている。本研究の目的は、質問紙調査により、顔に疾患や外傷をもつ人々が就労をめぐって直面している困難を把握することである。 1 本年度はまず、関連する分野の先行研究・調査を検討し、顔に疾患や外傷をもつ人々の就労をめぐる困難を的確に把握するための調査票を作成した。 (1)「社会階層と社会移動全国調査(日本社会学会)」、「就業構造基本調査(総務省統計局)」、「勤労生活に関する調査(独立行政法人労働政策研究・研修機構)」などの関連する統計調査を参照し、就労状況に関する質問項目を検討した。 (2)先行研究において、疾患や外傷をもつ人々の就労状況と社会的スキルとの関連が指摘されていることから、調査票に社会的スキルの項目を盛り込むため、日本で広く使用されている菊池章夫の「社会的スキル尺度 KISS-18」を検討した。また、顔に疾患や外傷をもつ人々の社会的スキルに焦点を当てたRumsey et al.(1986)やRobinson et al.(1996)などの重要文献を検討した。 (3)これらの検討をもとに調査票を作成した。顔に疾患や外傷をもつ人々による当事者団体や患者会に協力を依頼してプリテストを実施し、その結果をふまえて調査表を修正した。 2 顔に疾患や外傷をもつ人々による9つの当事者団体や患者会を対象に、郵送法による調査を実施した。今後、疾患の程度と産業・職種との関連、社会的スキルと職場ハラスメント経験との関連などに注目して分析を進めていく予定である。
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Research Products
(2 results)