2011 Fiscal Year Annual Research Report
機能主義的社会システム理論の提言論的応用に向けた基礎的研究
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22730387
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
三谷 武司 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 特任助教 (40452065)
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Keywords | 社会学 / 理論社会学 / 社会システム / 機能主義 / ルーマン |
Research Abstract |
研究代表者は、社会学の社会に対する提言的役割のあるべき姿への理論的アプローチを、ドイツの社会学者ニクラス・ルーマンの機能主義的社会システム理論の規範論的側面の剔出という学説研究を通じて構築することを目的に研究を進めているが、本研究の2年目となる平成23年度は、国内外の研究文献や資料の収集・整理を継続しつつ、前年度にその重要性を発見した初期ルーマンの重要著書『Theorie der Verwaltungswissenschaft』の検討を進めた。前年度には本書から初期ルーマンにおける理論社会学上の目標設定を、「経験的研究と規範的研究の断絶状態の克服」として、ごく形式的に剔出することに成功したが、今年度はそれを踏まえ、当時(1960年代)におけるこの「断絶状態」の詳細を明らかにし、このような目標設定を、ドイツ法思想・政治思想史上に位置づけた上で捉え返す必要を見出し、この作業を進めた。そのため、70年代以降のルーマン社会学の進展をこの目標設定の観点から捉え直す作業、および、この目標設定をあくまでも「社会学」として遂行しようとする姿勢の特徴・意義を道徳哲学や正義論のような「規範的」諸議論との対照において把握するという計画は、上記研究が十分に進展した後で着手すべきものとして、今年度の計画からは外した。昨年度に執筆し、今年度に刊行予定であった共著図書の刊行が次年度にずれ込み、それに伴って担当部分の補完・修正の機会を得たため、今年度の研究成果の一部をそこに反映させた。
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Research Products
(1 results)