2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730394
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
諏訪 晃一 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (50440962)
|
Keywords | 市民調査 / アクションリサーチ |
Research Abstract |
本研究は、職業的研究者以外の人々が中心となって行う調査活動である「市民調査」(宮内,2003)について、事例を踏まえて検討することを目的としている。本年度は次年度以降のより本格的な研究活動の準備期と位置づけ、主に次のような研究活動を行った。第1に、神戸市に本拠を置くNPOの関係者と、市民調査に関する勉強会を実施した。この中では、過去に行われた市民調査の具体例について検討し、評価できる点と課題の整理を行った。この成果の一部は、一般向けの解説として文章化した。第2に、市民参加型のアートイベントの実施に関わり、参加者に対する質問紙調査を企画・実施することができた。この過程では、アートイベントの実施に携わったアーティストとの意見交換を密に行い、当該イベントの当事者の視点からの、質問紙調査の企画のあり方について、実践的な知見を得ることができた。これらの活動の成果の一部は、日本質的心理学会のワークショップで発表した。第3に、さらに、大阪市立大学が主催し、インドネシアのジョグジャカルタにて開催された「ジョグジャカルタ・アカデミックフォーラム」に参加し、途上国の大学関係者と意見交換を行った。今回の議論の内容は本研究に直接的に関係するものではなかったが、学問的関心の共通部分について確認することができ、今後の研究交流の発展の基盤を築くことができた。これらにより、次年度以降に、より本格的なアクションリサーチを展開するための、理論的基盤及び実践的基盤を充実させることができた。
|