2012 Fiscal Year Annual Research Report
アーレントの全体主義論の独創性とその思想的展開に関する社会学的研究
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22730420
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Research Institution | Nagoya Sangyo University |
Principal Investigator |
高橋 陽子 名古屋産業大学, 環境情報学部, 准教授 (40387907)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 社会学 / 思想史 / 社会福祉関係 |
Research Abstract |
アーレントは、その著作において秘密,親密圏といったものを批判的に検討していることを、日本社会学会に6月、エントリーをした。親密圏について、彼女自身がどう叙述しているかを指摘することによって,親密圏にひそむ危うさ検討することがその目的であった。 その核心は、市民社会の私生活圏から公共性が析出するという視点を提供し,公共性概念が脚光を浴びるきっかけをつくったのは,アーレントではなく,ハーバーマス(Habermas,1990)であると指摘することであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学会発表ができなかったことにより、批判的意見を仰ぐことができず、論文執筆に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
アーレントが論じている「哀れみ」の残酷さをキーワードに、「共感」の可能性、「連帯」の概念を明確にすることをとおし、脱全体主義の道を模索する。 アダム・スミスの著作との関連性が仮説としてあげられるが、既に通読を完了しており、研究遂行に支障ないものと考える。
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