2011 Fiscal Year Annual Research Report
ダイアド集積型の家族調査データによる成人親子関係の研究
Project/Area Number |
22730422
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Research Institution | Osaka University of Commerce |
Principal Investigator |
保田 時男 大阪商業大学, 総合経営学部, 准教授 (70388388)
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Keywords | 社会学 / 家族調査 / 世代間関係 / 成人親子関係 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ダイアド集積理の家族調査データを活用することで、現代日本における成人親子の世代間関係の趨勢を捉えなおすことである。ダイアド集積型の家族調査とは、家族・親族内の複数の二者関係(ダイアド)を並行的に測定する計量的調査であり、その複層的な情報を活用することで、世代間関係の変動をより適切に把握・説明できる。具体的には、1)欧米で広まっているマルチレベル分析をベースに、世代間同居の多い日本の状況を勘案した方法論的発展を図ること、2)ダイアド集積型の公開調査データの分析により近年の世代間関係のトレンドを記述すること、3)補填的な郵送調査を行うことで分析の解釈に必要な前提の妥当性を検証すること、の3点を目指す。 2年目の平成23年度は、前年度から行っている公開データの分析を継続し、これまでの分析研究の成果を、全国家族調査(NFRJ)関係の研究会で7月と9月に報告を行った。それぞれダイアド集積型家族調査の扱い方の方法論的な整理と、実際的な援助関係分析の成果を示したものである。 また、別途準備を進めていた、独自のダイアド集積型の親子調査に着手した。この調査は、成人親子関係の親世代と想定される50~60代の人々を対象にした郵送調査で、それぞれの子どもとの関係およびその評価を詳しく捉えるものである。同別居以外の条件による撹乱を抑え、また、2000年に申請者が実施した類似の調査との比較が行えるように、調査地域は1つの自治体に限定し、600名の標本サイズとした。実査の完了は、平成24年度となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
公開データの分析による方法論の整理が順調に進み、一定の成果をあげることができた。平成23年度に実施完了予定であった独自の親子調査は24年度の完了にずれこんだ(調査自治体が、住民基本台帳の閲覧について、一定期間内に閲覧できる人数に制限を設けたため)が、調査設計と分析準備自体は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
調査票の作成等、調査の実施準備は平成23年度にすでに終えているので、平成24年度のなるべく早い時期に実査を完了し、分析を行う。2000年度に申請者が実施した類似の調査との比較分析を通して、成人親子の世代間関係の趨勢と捉える。
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