2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730431
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
甲田 菜穂子 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (90368415)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 社会福祉関係 / 知的障害 / 精神障害 / 受刑者 / イヌ / ストレス / コミュニケーション |
Research Abstract |
知的障害、精神障害を持つ受刑者を対象とした市民参加型の訪問型イヌ介在プログラムを実施した。社会復帰のための更生教育におけるイヌとの触れ合いが受刑者のストレス、感情やコミュニケーションスキルに与える影響を検証した。同時に、実践を実施した人とイヌへの福祉的配慮として、毎回の実践前後のイヌの唾液中のコルチゾル測定、行動評定、ハンドラーの気分測定も実施し、プログラムをモニタリングした。 結果では、対象者は、セッション参加後に気分得点に改善がみられた。対象者の感想文の内容は、セッションに対して総じて肯定的であった。ハンドラーは、対象者のイヌと人との相互交渉を肯定的に捉え、そのスキルの経時的な向上を評価した。対象者のコルチゾル値もセッション後に減少し、特に精神疾患者、本人が気分改善を認めた者、ハンドラーに関わり易いと評価された者の減少が顕著であった。 実践側のモニタリングでは、ハンドラーのストレスは総じて問題がない範囲に収まっており、実践後には気分改善が認められた。ハンドラーは、自身とイヌのセッション中のストレスはあまり重大視しておらず、両者のストレスには関連が認められた。イヌのコルチゾル値は、全体としてセッション後に減少し、ハンドラーにセッション中にストレスがかなりあったと評価されたイヌでも、セッション前後で有意な変化は認められなかった。 本研究により、プログラムの受刑者への心理社会的効果が確かめられた。そして、医師の診断、対象者の自己評価、ハンドラーによる評価の妥当性が確かめられた。プログラムは、実施側に大きな負担をかけるものではなく、対象者とハンドラーの双方が本プログラムの有効性を評価していた。 本研究で得られた結果は、次年度以降にも学会発表、論文投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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