2011 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害児・者の性に対する「支援」の構築に関する研究
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22730433
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
京 俊輔 島根大学, 法文学部, 講師 (60441127)
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Keywords | 障害児・障害者福祉 / 性 / 支援体制 |
Research Abstract |
平成23年度は、研究計画に則り本研究の第2段階であるテキスト・マイニングによるインタビューデータの分析を行った。この研究では昨年度までに実施してきた研究を深化すべく、筆者がこれまでに実施してきた施設職員と保護者を対象としたインタビュー調査のデータに立ち返り、そこに含まれる構成要素を元に、両者の「知的障害者の性」に対する意識の比較を試みた。その方法として、本研究ではテキスト・マイニングを用いて、インタビューデータに含まれる構成要素数の比較および対応分析を行った。その結果、保護者は知的障害者本人の「身辺自立」を中心とした性、施設職員は地域での生活を念頭に置いた「社会的自立」を意識した性を意識する傾向がそれぞれ見えてきた。平成22年度に実施した第1段階では、施設職員の支援実施の際に「迷い」が生じることを明らかにしたが、平成23年度の研究を通じて、その「迷い」を生じさせる一要因を明らかにすることができた。なお本研究の結果は、学会報告および学術論文を通じて公表をしている。 また、当初はカナダの障害者福祉施設での情報蒐集を予定していたが、研究の進捗状況と照らし合わせた上で、平成24年2月にアメリカハワイ州にある障害者権利擁護センターにて北米における知的障害者の権利擁護および性に関する支援の実際に関する情報蒐集に変更した。そこで得られた知見も学会報告等でH24年度以降に報告をしていく予定である。 本研究で得られた知見は、実践現場における支援の質の向上、ひいては福祉専門職の質向上にも寄与することになると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度は、内閣府青年社会活動コアリーダー育成プログラムの障害分野派遣団の一員としてニュージーランドに派遣される一方で、同プログラム受け入れ事業の際には地方プログラムのコーディネーターを担当したため全体的に若干ではあるが遅れている傾向にある。そのため当初予定したカナダでの情報蒐集を日程の都合上変更し、アメリカハワイ州の障害者権利擁護センターに変更し、北米における取り組み等に関する情報蒐集や資料蒐集等を行うなど柔軟に計画の変更等を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は本研究の最終年度である。全体のまとめを中心に取り組むことになる。本研究は調査対象者が施設職員であるため、追加調査等を行う場合、勤務時間等を加味する必要がある。その場合は実施日時および実施回数等を調整し、本年度中にできる範囲内で実施をする。また、最終段階では、本研究において達成できた点、課題となった点を確認し、課題については次年度以降の研究につなげていく。
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