2010 Fiscal Year Annual Research Report
外国人定住支援を目的とした多文化ソーシャルワーク実践におけるICTの活用
Project/Area Number |
22730434
|
Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
舟木 紳介 福井県立大学, 看護福祉学部, 講師 (50315842)
|
Keywords | 多文化 / 移民定住支援 / ソーシャルワーク / ICT |
Research Abstract |
初年度にあたる平成22年度は、文献調査に加えて、2010年9月にオーストラリア・シドニーにおいてパソコン、インターネット、映像メディア等のICTを活用したコミュニティ形成および移民定住支援の先進事例に関するインタビュー調査を実施し、調査結果に関しては成果の一部を論文等で発表した(舟木2010)。事例分析の視点を得るために、オーストラリアの研究協力者でメディア研究およびエスニック・マイノリティ女性支援を熟知しているPhillips博士、濱野健氏とメール等を通じて適宜意見交換を行った。上記の先進地調査の結果を参考とし、2010年12月には、福井在住外国人が地元の芸術アーティストの協力を得て、単なるパソコン技術習得といったメディア消費のみを目的とするだけでなく、外国人住民自らが主体的に地域コミュニティでの住民意識を形成することを目的とした多文化な芸術作品の創作ワークショップを試験的に実施した。今年度は福井市映像文化センターの協力を得て、県内在住の映像アートの専門家の指導の下で、外国人観光客向けの福井の観光CMを作るワークショップを行った。その後、2011年1月から2月にかけて、外国人参加者、学生サポーター、ワークショップ講師に対するインタビュー調査を行った。インタビューでは、移民定住支援の方法として映像制作の活用することで、外国人参加者および日本人参加者の帰属意識の強化や地域住民の意識の変化にとって重要であることが確認された。また、データの共有および討議の手段として、FレックスSNSおよびFacebook(フェイスブック)を活用し、参加メンバー限定の仮想コミュニティをSNS上に立ち上げた。上記調査結果については、2011年7月にオーストラリア・メルボルンで開催されるJapanese Studies Association of Australia conferenceで口頭発表を予定している。
|