2011 Fiscal Year Annual Research Report
外国人定住支援を目的とした多文化ソーシャルワーク実践におけるICTの活用
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22730434
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
舟木 紳介 福井県立大学, 看護福祉学部, 講師 (50315842)
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Keywords | 多文化 / 移民定住支援 / ソーシャルワーク / ICT |
Research Abstract |
2年目にあたる平成23年度は、福井県内において実施した外国人当事者による映像メディア制作を中心とした「多文化創作ワークショップ」への日本人および外国人参加者へのインタビュー調査と参与観察を実施し、調査結果に関しては成果の一部を論文および国際学会で発表した(Funaki 2011など)。前年度の先進地調査の分析結果を参考とし、2011年8月には、外国にルーツを持つ大学生が地元の芸術アーティストの協力を得て、単なるパソコン技術習得といったメディア消費のみを目的とするだけでなく、外国人住民自らが主体的に地域コミュニティでの住民意識を形成することを目的としたデジタルメディア作品の制作支援を行った。2011年12,月には、越前市国際交流協会およびロハス越前(今立町エコツーリズム協議会)、地元の映像アーティストの協力を得て、デジタルメディアキャンプin今立(外国人高校生による映像制作ワークショップ)を実施し、参与観察および支援者に対するインタビュー調査を行った。その後、映像作品を外国人支援関係者へ公開するワークショップを開催し、意見交換を実施した。調査結果の分析から、映像制作の活用することで、外国人当事者の地域社会とのつながり(コミュニティエンゲージメント)の再構築に効果があり、さらに日本人参加者の多文化共生意識の向上につながることが確認された。研究成果の一部については、7月に開催されるアジア・オーストラリア学会(シドニー)で演題発表を行うことが決定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで日本国内においてほとんど実践されてこなかった外国人当事者による映像メディア制作を中心とした「多文化創作ワークショップ」を専門職らと共同で実施し、ICT活用における具体的な課題を整理し、新たな多文化ソーシャルワークのモデルプログラム作成へ準備基盤を築くことができたことは大きな成果であった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度、福井県内において実施した外国人当事者による映像メディア制作を中心とした「多文化創作ワークショップ」への日本人および外国人参加者へのインタビュー調査と参与観察の調査結果の分析を踏まえて、要因抽出と仮説形成作業を行い、多文化ソーシャルワーク実践におけるICTの活用の課題と地域コミュニティでの外国人定住支援への効果を明らかにし、新しい多文化ソーシャルワーク実践のモデルプログラムを実践者と共有していきたい。
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