2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730443
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Research Institution | Tohoku University of Community Service and Science |
Principal Investigator |
益子 行弘 東北公益文科大学, 公益学部, 講師 (40550885)
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Keywords | ソーシャルワーク / 社会福祉援助技術 / 表情 / 対人認知 / コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究は、相談援助場面における相談者の態度、ソーシャル・プレゼンスの主要因である表情と援助成果の関連性を明らかにすることを目的とする。実際の相談援助場面を撮影、運動解析ソフトウェアにより解析し、援助者の表情と援助成果との関連を見出すことで、援助成果に対する援助者の振る舞いの効果の有無を明らかにできる。これにより、援助者の援助方略のエビデンスを構築し、より実践的・効率的な相談援助業務を提案できると考える。 本年度は、以下の2点について検討した。 1.援助者の印象と援助成果および援助業務の評価結果との関連性の検討 満足度等を含む援助成果および援助業務の評価尺度を作成し、相談者に援助成果および援助業務の評価をしてもらった。さらに、昨年度調査を行った、援助者の印象評価と、相談者による援助成果および援助業務の評価結果との比較を行い、関連性の有無について考察を行った。共分散構造分析(SEM)の結果、援助者の印象は援助成果および援助業務の評価に強い影響を与えていることが明らかとなった。援助者が「信頼性」「親近感」が援助業務の評価に、「信頼性」が援助成果に影響を与えていることがわかった。 2.援助者の表情と援助成果および援助業務の評価結果との関連性の検討 これまでの研究において得られた、表情とソーシャル・プレゼンスとの関係に基づき、表情を代表とするソーシャル・プレゼンスの変数と、援助成果および援助業務の評価と対応付けを試みた。昨年度作成した援助者の表情評定と、相談者による援助成果および援助業務の評価結果との比較を行い、関連性の有無について考察を行った。共分散構造分析の結果、援助者の表情と援助成果および援助業務の評価には関連性があり、援助者の真顔以外の表情の表出が多いほど相談者からの評価が高く、特に悲しみ顔と驚き顔の表出が援助成果に影響を与えていることがわかった。
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Research Products
(1 results)