2011 Fiscal Year Annual Research Report
新たな2つの尺度を用いた高齢者の社会・生産的活動とウェルビーイングの縦断的研究
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22730444
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
岡本 秀明 和洋女子大学, 生活科学系, 准教授 (30438923)
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Keywords | 高齢者 / 社会活動 / 生産的(プロダクティブ)活動 / 活動満足度 / ウェルビーイング(well-being) |
Research Abstract |
初回調査のデータベースを用いて、高齢者の社会・生産的活動が新たに開発した活動満足度の2つの尺度(「日頃の活動満足度尺度」と「社会活動に関連する過ごし方満足度尺度」)の得点に与える影響の検討、および高齢者の社会・生産的活動がその他のウェルビーイング指標に与える影響の検討を、男女別に行った。 分析対象者数は、有効回答数1067人のうち、代理回答ではないこと、基本属性や活動満足度の2つの尺度項目に欠損値がない932人とした。その他ウェルビーイング指標として、生活満足度を測定するLSIK(Life Satisfaction Index K)を使用した。社会・生産的活動は、地域基盤的活動、貢献活動、趣味等仲間内活動の3つの活動変数を用意した。分析は男女別に行い、活動満足度の2つの尺度、生活満足度それぞれを従属変数、基本属性等および3つの活動変数を独立変数に一括投入し、重回帰分析を用いた。 重回帰分析の結果、日頃の活動満足度を従属変数にした場合、男女とも、貢献活動と趣味等仲間内活動が有意な正の関連を示した。社会活動に関連する過ごし方満足度尺度を従属変数にした場合、男女とも、すべての活動が有意な正の関連を示した。生活満足度を従属変数にした場合、男性では趣味等仲間内活動が、女性では地域基盤的活動と趣味等仲間内活動が有意な正の関連を示した。 これまで、日頃の活動満足度尺度および社会活動に関連する過ごし方満足度尺度の得点と社会・生産的活動の関連を、多変量解析により、男女別に検討した研究はなかった。そのため、研究者や実践者が、今後、活動満足度の2つの尺度を活用する際に参考となる有益な検討結果を提示できたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、初回調査のデータベースを用いて、高齢者の社会・生産的活動が、新たに開発した活動満足度の2つの尺度の得点、その他のウェルビーイング指標に与える影響の検討を行ったため、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年度は、2013年度に実施する追跡調査の準備を行うこと、初回調査のデータベースを用いて、高齢者の新たな友人・知人の獲得がウェルビーイングに与える影響の検討を行うことを予定している。
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