2011 Fiscal Year Annual Research Report
研究者の現場コミットメントの地域福祉大学教育への活用に関する研究
Project/Area Number |
22730450
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
朴 兪美 日本福祉大学, アジア福祉社会開発研究センター, 研究員 (10533383)
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Keywords | 地域福祉 / 地域福祉研究者 / コミットメント / 循環 / 社会福祉関係 |
Research Abstract |
本研究では、地域福祉研究者の現場へのコミットメントの内容を地域福祉の大学教育にどのように活用するかを検討した。地域福祉研究者の現場へのコミットメントにおいて、代表的な場となっているのが地域福祉計画の場である。地域福祉計画が社会福祉法に明記された以後、その傾向はより著しい。現場にかかわった研究者は、そこから得られた体験等を自分の研究にフィードバックし、それによって、現場へのかかわりと研究の循環が起こる。本研究では、地域福祉計画の現場にかかわる地域福祉研究者のなか、岡村理論や右田理論につながる理論的背景及び時代的な研究の背景を共有している研究者を選定し、インタビュー調査や文献調査を用いて、その循環を明らかにした。その結果、地域福祉計画へのコミットメントの内容の背景に、それ以前の地域福祉実践へのかかわりがあることが分かった。そこに現れた現場へのかかわりと研究の循環を3段階に示すことができる。第1段階では、住民福祉運動・住民参加によるコミュニティケア・当事者運動のような実践現場にかかわり、地域福祉実践を分析した研究があった。第2段階では、社協による地域福祉計画にかかわり、民間機関の実践としての地域福祉計画に関する研究が示された。第3段階では、法定化以後の行政の地域福祉計画策定にかかわり、民間計画と異なる地域福祉計画に関する研究が行われた。第3段階の地域福祉計画の現場からすると、地域福祉研究者のコミットメントは、1、アセスメント、2、計画策定の場の組織化、3、計画枠組みの提案という3つのレベルに分けることができる。そこに、研究者は地域福祉推進の政策枠組みと活用できる計画福祉行政、地域の福祉力、地域福祉行政というキーワードを示している。以上の段階ごとに示される現場へのかかわりと研究の循環は、段階的な地域福祉の捉え方として、大学教育に活用できる。
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