2010 Fiscal Year Annual Research Report
多文化間における「かかわり」促進のためのソーシャルワーク支援の方法
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22730453
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Research Institution | Aichi Mizuho College |
Principal Investigator |
荻野 剛史 愛知みずほ大学, 人間科学部, 講師 (00410861)
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Keywords | ソーシャルワーク / ベトナム難民 / かかわり |
Research Abstract |
本研究では、滞日ベトナム難民(以下、ベトナム難民)と地域社会との「かかわり」に注目し、その促進のためのソーシャルワーク支援の方法を明らかにすることを目的としている。この目的の達成のために、研究期間中、ベトナム難民とその環境(地域社会など)の人々の両方にインタビュー調査を行うこととしている。2010年度は、主にベトナム難民の環境-特にサポーティブな関係を持っている地域社会や支援団体の人々7名に対しインタビュー調査を行った。 この調査は、調査対象者がベトナム難民の生活上の困りごとに対して提供したサポートの機能や方法を明らかにしようとするものであるが、インタビューでは34のサポート事例を聴取することができた。分析の結果、これらのサポート事例には「生活基盤確保・改善支援機能」「アクシデント対処支援機能」「環境との関係性構築促進・調整支援機能」が含まれていることが明らかになった。 受入数の少なさに対する批判はあるものの、日本はかねてからインドシナ難民(ベトナム、ラオス、カンボジアからの難民)や条約難民を受け入れており、また近年では第三国定住制度によりタイの難民キャンプからミャンマー難民の定住を受け入れているが、本調査で得られた知見は、彼らに対する定住のための支援実践に対し寄与できるものと考えられる(なお、本調査・分析結果は、現在学会誌に投稿中である)。 この他、もう一方の調査であるベトナム難民に対するインタビュー調査も進めており、およそ半数が完了した。
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