2010 Fiscal Year Annual Research Report
成人期障害者の暮らしの場の移行に伴う親子関係の再構築に関する研究
Project/Area Number |
22730454
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
田中 智子 佛教大学, 社会福祉学部, 講師 (60413415)
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Keywords | 成人期障害者 / 障害者のいる家族 / 障害者の生活の場の移行 |
Research Abstract |
平成22年度は、当初の予定通り、日本国内でのインタビュー調査としてA県に在住する成人期障害者の親18名を対象に実施した。被調査者としては障害者の暮らしの移行段階に応じて、家族と同居する者、グループホームや入所施設に暮らしの場を移行した者に協力を得ることができた。調査内容は、暮らしの場の移行に関する意識とその契機となるライフイベント、そして移行を可能とする環境や社会的条件についてである。今年度の調査対象者は、生活の場の移行について肯定的な意見を持つ者に比較的偏っていたので、来年度はその他の意見を持つ者にも対象を広げて調査を継続する予定である。 調査結果の分析については、今後の作業であるが、これまでで明らかになったこととしては、障害者の親にとって、子どもの生活の場の移行イコール子育ての終了とはなり得ていないということである。生活の場の移行後もそれ以前と変わらない親役割を自覚している者も多くいる。また、障害者の生活の移行についての親の意識には、それまでの子育てに対する評価や、子育ての居力者、親自身の人生に対する自己評価などが影響することが明らかになった。 また来年度以降の海外調査に向けて、北欧における成人期障害者に関する政策や実態報告等を収集し整理を行なった。今後は具体的な調査対象機関・団体・者の選定を行なう予定である。
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