2013 Fiscal Year Annual Research Report
成人期障害者の暮らしの場の移行に伴う親子関係の再構築に関する研究
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22730454
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
田中 智子 佛教大学, 社会福祉学部, 准教授 (60413415)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 成人期障害者 / フィンランド |
Research Abstract |
今年度は、フィンランドヘルシンキにおいて、成人期以降のスムーズな親子分離を遂げるために、それまでの子育ての過程がいかに営まれているのか、それに社会はどのように介入しているのかを明らかにすることを目的に調査を行なった。 具体的には、障害者を育てる親と、社会資源(障害者関連事業所、行政のケースワーカー)への聞き取り調査を行なった。 障害者を育てる親へのインタビュー調査においては、障害児を育てる上で、物心両面からの充実したサポートを得たこと、子どもの障害に対する心理的な葛藤はあったものの、就労継続や親自身の生活が保障される中で子育てを行なうことができたという肯定的な感情を抱いていた。そのことが、親子の生活の場の分離という場面を主体的に設定することができ、その後の親子の交流や親自身の生活の再構築をスムーズに行なえるという結果につながっていることが明らかになった。 今回、社会資源への聞き取りで明らかになったことは、フィンランドにおいては、障害のある子どものケアを家族が担うのか、社会が担うのかを選択できるシステムが整備されていることである。具体的には、介護手当やレスパイトサービスなどが充実しているので、障害のある子どものケアと家族自身の生活を両立することが可能であることが特徴的である。例えば、成人した障害者の帰宅後の夜間のケアを家族が担う場合、それにも介護手当が支給される。あるいは、平均年間40日を超えるレスパイトサービスを知的障害者の家族は利用している。そのことが、障害者のケアか/家族の生活かと二者択一的な葛藤から家族を解放し、上記、家族へのインタビューでも語られたことであるが、障害者を含む家族生活を肯定的なものとして受けとめることへとつながっていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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