2010 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者ボランティアの老いの受容と活動の継続・引退に関する支援のあり方の検討
Project/Area Number |
22730471
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
野中 久美子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70511260)
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Keywords | ボランティア活動 / 高齢者の社会参加 / ボランティア活動の継続 / ボランティア活動の支援 |
Research Abstract |
平成22年度は、身体・認知機能の衰えがある高齢者ボランティアにとって望ましい活動の継続と引退のあり方とその支援策を検討することを目的とし、高齢者ボランティアとボランティア活動の受入れ施設側に面接調査を実施した。 (1)高齢者ボランティアにとっての望ましい活動の継続と引退のあり方に関する調査 地域の小学校や幼稚園・保育園等で絵本の読み聞かせを通じた定期的な交流をおこなう高齢者によるボランティア団体REPRINTSに所属する高齢者ボランティア14名(男性3名、69歳から86歳)を対象に個別面接調査を実施した。面接調査の録音データをテキストデータ化し、グラウンデッド・セオリー・アプローチにて分析した。 その結果、活動継続上の主な課題は、1)健康障害や家族の介護のために活動時間や内容が限られる、2)視力や体力、認知機能の低下により活動の質を保つことが困難、3)認知機能の低下により活動予定を忘れること等であった。このような課題に対し、他のボランティア仲間の支援と理解がこれらの工夫が可能な環境を作り出していた。また、継続に不安を持つボランティアおよびボランティア仲間の「老い」に対する考えとボランティア活動の意義に対する考えが継続に影響を与えていた。 (2)ボランティアサービスの受け手(施設側)の考える引退時期に関する調査 REPRINTSボランティアの受け入れ施設の担当者13名を対象に面接調査を実施し、施設側が受入れ可能・不可能な高齢者ボランティアの状態について検討した。高齢者ボランティア向け調査で明らかになった高齢者ボランティアが引退すべきと考える状態は、子どもへの情緒教育の観点からも活動を継続すべきと捉えている施設担当者もいることが明らかになった。
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