2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730474
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
熊谷 智博 大妻女子大学, 文学部, 助教 (20400202)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 社会心理学 / 集団間紛争解決 / 道徳性知覚 |
Research Abstract |
本年度は外集団の道徳性を知覚する程度が、外集団の政治的活動への支持や過去の出来事に対する謝罪や補償への支持を強める過程について検討した。特に外集団の食文化に対する親近性を操作することで、外集団に対する道徳性知覚を操作する可能性について一連の研究で検討した。 実験では中国を外集団として設定した。中国の食文化である中華料理に関して、参加者は有名な中華料理10品(高親近性条件)、あるいはあまり知られていない中華料理10品(低親近性条件)について、その親近性の程度を回答した。その後、中国人、あるいは在日中国人の道徳性、社会性、有能さの3点について7件法による回答を求めた。研究1ではそれらの知覚された特性が中国への留学やホストファミリーとして留学生を受け入れる態度に与える影響を検討した。パス分析の結果、道徳性知覚は海外留学に対するポジティブな態度を、社会性知覚は国内の留学生に対するポジティブな態度を強めた。一方、有能さの知覚はこれらに対して影響を与えていなかった。研究2では同様の手続きの後、より政治的な問題として、在日中国人の権利主張の支持的態度、及び日中戦争時の虐殺に対する責任認知と政府による謝罪、被害者への賠償に対する支持的態度に対する特性知覚の影響を検討した。結果は道徳性知覚が虐殺に対する責任認知を介して謝罪と賠償に対する支持を強め、社会性は在日中国人の権利主張に対する支持を強めていた。また研究2においても有能さは効果がなかった。このように、外集団の特性知覚は種類によって外集団に対する態度に与える効果が異なる事が明らかになり、特に道徳性の効果の重要性が明らかになった。同時に中華料理の様ななじみのある食文化を操作するだけで、外集団の特性知覚に影響を与える事が可能であった点は、今後の集団間紛争解決への応用可能性を示していると言える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)