2011 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者を対象としたプロダクティブ・アクティビティ促進プログラムの開発
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22730478
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中原 純 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (20547004)
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Keywords | シルバー人材センター / Productive Activity / well-being / 高齢者 |
Research Abstract |
平成23年度の交付申請書に記載したように縦断調査の第1波を実施する予定であったが、平成22年度の役割アイデンティティ尺度の問題点を解決するための調査について、分析対象者数が十分得られなかったため、調査会社のモニターに対する追加調査を実施する必要性があった。なお、研究課題全体の目的は、役割アイデンティティ(PRI)を促進するためのプロダクティプ・アクティビティの検討することであるため、従属変数となる役割アイデンティティの尺度の妥当性を確認することは非常に重要な課題である。分析の結果、妥当性を十分に備えたPRI尺度を再構成することができた。 ○調査対象者:Ipsos日本統計調査株式会社に登録するモニター87名 ○調査内容; a)基本属性(年齢、性別、最終学歴、主観的健康状態、主観的経済状況) b)役割アイデンティティ(祖父母アイデンティティ、親アイデンティティ、PRI) c)well-being(生活満足度、ポジティブ感情、ネガティブ感情)(古谷野他,1989;中原,2011;Mroczek&Kolarts,1998) d)自尊感情(Rosenberg,1965;山本他,1982) *なお、当初予定していた縦断調査の第1波は、平成22年度の[研究(1)]の本調査の実施と兼ねることで研究計画の遂行が遅れないように対応した。 また、高齢者のプロダクティブ・アクティビティの代表として、シルバー人材センターの活動が挙げられる。本研究では、このセンターの対象者に対して縦断調査を行うこととなったため、当該センターの研究を遂行している針金まゆみ氏(ダイヤ財団)を大阪大学に招き、指導いただいた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成22年度の時点では含まれていなかったPRIの尺度に関する調査を行った分、研究全体としては遅れていた。しかし、平成22年度の繰り越し分で平成23年度に行ったシルバー人材センターの調査を縦断調査とすることが可能になったため、進度としては当初の計画通りに近いものとすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
11でも説明したように、研究の進度としての遅れは取り戻すことができたと考えられる。しかし、科学研究費補助金(若手研究B)に応募した段階では予定していなかった調査を実施しなければならなくなった関係で、縦断調査を行うための予算は不足している。対応策としては、縦断調査の予定を当初の4回から3回に減らす方法と、4回のままで対象者数を減らす方法が考えられるが、後者の方法では統計解析自体が困難になる可能性が大きいと判断されるため、前者の方法で対応することを考えている。平成24年度以降は、この縦断調査の2回目および3回目を実施する。
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Research Products
(2 results)