2012 Fiscal Year Annual Research Report
インターネット上の「情報爆発」がもたらす孤立と孤独の生起メカニズムの解明
Project/Area Number |
22730483
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
五十嵐 祐 名古屋大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (90547837)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 第三者効果 / 社会考慮 / ソーシャルメディア |
Research Abstract |
本年度は、メディア利用に基づく情報の過負荷の影響として、ソーシャルメディアの利用がもたらす第三者効果の生起メカニズムを社会考慮との関連から検討した。第三者効果とは、メディアの自己への影響力を他者への影響力よりも低く見積もる傾向をさし、その背景には「メディアのメッセージは信じない」という規範の存在や、自己高揚バイアス、自己カテゴリー化の影響が指摘されている。一方、社会考慮の高い人は、メディアの影響を受けることが社会的に望ましくないとされる状況(例:ソーシャルメディアを通じたデマの拡散)でも、自分とは異なる立場にある他者の行動の原因を個別的に判断し、第三者効果を弱く見積もることが予測される。これに対して、社会考慮の高い人はルール違反を行う他者に対して厳しい評価を下すため、デマの拡散などの社会的に望ましくない状況においてステレオタイプ的な判断を行い、メディアの他者への影響力を強く見積もる可能性も予測される。これら2つの対立する予測を比較検証するため、インターネット調査の参加者を対象として、社会考慮と他者に対するメディアの影響力の評価との関連を検討した。その結果、社会考慮の程度が高い人ほど、他者に対するメディアの影響力を高く見積もっており、社会考慮は第三者効果を促進していた。以上の結果は、社会考慮が第三者効果を弱めるという予測ではなく、むしろ強めるという予測を支持する。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)