2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730494
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
中西 大輔 広島修道大学, 人文学部, 准教授 (30368766)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 社会的不確実性 / 社会的ジレンマ / ダブルジレンマ / 頻度依存 |
Research Abstract |
2012年度は、横田・中西 (2012) の進化シミュレーションをもとに昨年度行った他者の行動情報が利用可能なダブルジレンマ実験を発展させることを目的とした。横田・中西 (2012) の進化シミュレーションでは、多層淘汰モデルを用い、個人間淘汰圧に対する集団間淘汰圧の強さを様々に変更したダブルジレンマの進化シミュレーションを行っている。その結果、集団間淘汰圧の強い状況下で頻度依存的傾向がより進化しやすいこと、頻度依存的行動が可能な状況と不可能な状況を比較すると前者でより内集団への協力率が高いことが明らかとなった。 しかし、いくつかの場面想定法実験や実験室実験の結果から、横田・中西 (2012) の想定とは異なり、社会的ジレンマ状況では少数派の行動を模倣する行動パタンを持つ者がいることが明らかとなった。そのため、まず、多数派だけではなく、少数派の行動も模倣することができるエージェントを組み込んだ進化シミュレーションを新たに行った。シミュレーションの結果、少数派同調個体を導入した場合には、頻度依存的行動が不可能な状況よりも協力率が低下するという結果が得られた。また、少数ながら少数派同調をする個体が一定比率で均衡するという結果が得られた。この結果に基づき、場面想定法実験により、ダブルジレンマ状況でどの程度少数派の行動を模倣する者が存在するかどうかを検討したが、そこではほとんどの者が少数派の行動を模倣しないと回答した。進化シミュレーションと場面想定法実験の乖離については、今後の検討課題である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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