2013 Fiscal Year Annual Research Report
犯罪に備えるために:二重過程理論に基づく犯罪対処行動の促進
Project/Area Number |
22730497
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
島田 貴仁 科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 室長 (20356215)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 犯罪被害 / 説得的コミュニケーション / 二重過程理論 / 予防 / フィールド実験 / 内容分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、一般市民の日常的な犯罪への備えである犯罪対処行動を促進させる要因を明らかにするため、日本の実情に応じた犯罪対処行動尺度の作成、調査法を用いた犯罪にまつわる認知・感情・行動の因果関係の分析、実験法による犯罪対処行動の促進要因の分析を行う。 本年度は、(1)調査法を用いた犯罪に関する認知と行動の因果分析、(2)実験による事前関心が対処行動に与える影響の分析、(3)フィールド実験を通じた長期的な対処行動の持続に寄与する要因の分析、を行った。 (1)では、首都圏の1市の成人住民の2波パネル調査データを用いて分析を行った。両時点間で近隣での迷惑行為を経験した回答者の統制行使の有無を従属変数にしたロジスティック回帰分析を実施したところ、第1波での集合的効力感が高いと、近隣レベルの統制を行使する可能性が有意に高まることが示された。これまで、集合的効力感が犯罪発生率を抑制する知見は得られていたが、今回の分析結果からはその中間変数である行動レベルへの影響が見出された。 (2)では、若年女性を対象に、住居選択場面で、転居に関する関連付けで層別した実験参加者に対し、脅威情報の種類、対処行動の効果性を操作した情報を提示し、防犯設備の割増家賃への支払意思額及び事後の情報探索行動をアウトカムにした実験を行った。分散分析の結果、支払意思額には3次の交互作用効果、情報探索行動には関連付けの主効果が見られた。 (3)では、首都圏の公共駐輪場利用者を対象に、脅威の高低、対処行動の効果性を操作した情報を提示した上で、自転車に2つ目の錠を取り付けた。以降1ヶ月間駐輪場での施錠有無を記録した。欠損を考慮した混合ロジスティック回帰分析の結果、介入直後のツーロック行動には条件間で差異がないが、介入からの時間経過につれて高脅威の刺激を読んだ実験参加者は,低脅威の刺激を読んだ実験参加者よりも,ツーロック行動を継続しやすいことが示された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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