2012 Fiscal Year Annual Research Report
対人認知の自動性に関する発達心理学的アプローチによる検討
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22730501
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
清水 由紀 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (30377006)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 特性推論 / パーソナリティ / 対人認知 / 他者理解 / 自動的処理 / 統制的処理 / 発達 |
Research Abstract |
他者の行動を見ただけで,意図せず,無意識に生起する自発的特性推論(Spontaneous trait inference)に関して,実験を行った。誤再認パラダイム(false recognition paradigm)による実験刺激を作成し,実際に日本人とアメリカ人大学生122名(また試験的に児童も10名)を対象とした実験を行った。また,PDP分析という手法(Payne,2005)を用い,STIにおける自動的プロセスと統制的プロセスのパラメータを推定した。 誤再認パラダイムでは,まずexposure phaseにおいて顔写真と行動記述文の対を参加者に提示した。このとき,行動記述文は,「彼は無礼な人で,授業中に大きな声でおしゃべりをし続けた」というような特性を明示している記述文と,「彼は授業中に大きな声でおしゃべりをし続けた」というような特性を暗示している記述文があった。 短いdistracter phaseの後,recognition phaseで顔写真と特性語の対を提示した。これはexposure phaseと対応しており,参加者は,特性語は先ほどのexposure phaseで提示された行動記述文の中にあったかどうかを,yesかnoで判別するよう求められる。先ほど実際に含まれていれば,yes反応は正答であり,反応率はhit rateと呼ばれた。先ほど含まれおらず暗示されていただけの場合は,yes反応は誤答であり,反応率はfalse recognition rateと呼ばれた。hit rate=C+A(1-C),false recognition rate=A(1-C)という計算式を用い,A(自動的処理)とC(統制的処理)のパラメータを推定した。 分析の結果,アメリカ人の方が日本人よりもSTIの生起が大きく,さらに自動的処理に依存していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
毎年コンスタントに1~2つの実験を行い,自発的特性推論の生起メカニズムについて明らかにしている。 ただし子どもを対象とした研究方法に開発に苦慮している面もあり,発達的メカニズムの解明は最終年度に持ち越すこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度にあらたにPDP分析という手法を導入することにより,自発的特性推論の生起メカニズムについて解明することができた。 ただしこの方法が児童に適用できるかどうかは,未だ不明の部分が大きい。試行数を減らすなどして,記憶負担の軽減をはかることにより,児童を対象とした実験方法を確立し,個別面接により異なる年齢段階の子どもの自発的特性推論について明らかにする。
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Research Products
(5 results)