2013 Fiscal Year Annual Research Report
教室における規範逸脱行動に対する個人要因および状況要因の影響
Project/Area Number |
22730508
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
出口 拓彦 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (90382465)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 教育系心理学 / 規範逸脱行動 / シミュレーション |
Research Abstract |
ゲーム理論およびダイナミック社会的インパクト理論を基に,個々人の態度が,周囲の人々との相互作用を通して規範逸脱行動に至る過程や,逸脱行動と適応感の関連について検討した。当該年度は,昨年度までの研究をふまえ,生徒や大学生の教室における規範逸脱行動について,質問紙調査やシミュレーションを基に考察した。また,研究で得られた知見を基に,「教室における規範逸脱行動に関する授業案」を作成した。 シミュレーションは,実験的に作成した利得行列を用いたものだけでなく,質問紙で測定した「規範逸脱行動に対する態度」に関するデータ(利得行列)をコンピュータ上の各セルに代入する,という方法を用いたものも行った。シミュレーションの際,「セル」は「生徒」を表すものとした。各セルは,周囲のセルが持つ状態と自分の利得行列に従って,自己の状態を変容させた。 実験的に作成した利得行列を用いたシミュレーションの結果,逸脱行動の拡散には「閾値」のようなものがあり,規範が守られていたクラスであっても,自分の態度を反映させた行動の頻度が僅かに増えるだけで,急激に逸脱行動が広がる可能性があることが示された。また,中学生を対象とした測定による利得行列を用いた「シミュレーションの出力」(逸脱行動拡散の度合い)と,質問紙によって測定された「実際の拡散の度合い」を比較したところ,授業中の私語等の逸脱行動については,両者に正の相関が示された。これは,シミュレーションの妥当性を示すものと考えられる。さらに,利得行列の種類と適応感の関連についても検討したところ,学業に関する適応感については,「遵守」が最も高い適応感を示した。これらの研究結果は,学会や学術雑誌上で発表(掲載が決定したものも含む)した。「教室における規範逸脱行動に関する授業」については,授業の受講者を対象として質問紙調査を実施した。現在,得られたデータを分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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