2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730524
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
鈴木 亜由美 広島修道大学, 人文学部, 准教授 (40435045)
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Keywords | 自己主張性 / パーソナリティ / 発達 / 社会的認知 |
Research Abstract |
本研究は自己主張性の個人差を規定する要因として,自己主張行動がもたらす効果をどのように予測しているかという点に注目し,これらを発達的観点も含めて検討するものである。そのために,状況の違いが自己主張行動の効果予測に及ぼす影響の検討(調査1),自己主張行動の効果予測が自己主張性の個人差に及ぼす影響の検討(調査2),自己主張行動の効果予測の発達的変化の検討(調査3)という3つの調査を計画した。平成23年度は主に調査2を実施した。調査2では大学生187名を対象に,大学生活における友人との葛藤のシナリオとともに,5段階の自己主張パターン(1「全く自分の意見を相手に伝えない」,2「自分の意見を伝えるが相手の意見を受け入れる」,3「自分の意見を伝えた上で相手の考えを聞き,交渉する」,4「相手より自分の意見が優れていると説得する」,5「自分の意見のみを強く主張する」)を提示し,それぞれについて,道具的効果(よい結果をおさめることができる)と社会的効果(相手と良好な関係を保つことができる)について,「非常にそう思う」から「全くそう思わない」の7段階で予測させた。合わせて自己主張性の個人差を測定するために,「関係形成因子」と「説得交渉因子」の2因子から成る青年用アサーション尺度(玉瀬・越智・才能・石川,2001)を実施した。その結果,効果の予測については道具的効果,社会的効果ともに中程度の強さの自己主張(自分の意見を伝えた上で相手の考えを聞き,交渉する)を最も効果的とする逆U字型となることがわかった。さらに道具的効果,社会的効果ともに中程度の強さの自己主張について高い効果を予測するほど,自己主張性尺度で測られる自己主張性のうち,「説得交渉因子」の得点が高いことがわかった。調査1,2の結果をふまえて,現在調査3の実施を準備している段階である。
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