2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730525
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Research Institution | Nagasaki Junshin Catholic University |
Principal Investigator |
中村 真樹 長崎純心大学, 人文学部, 講師 (80531780)
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Keywords | 広汎性発達障害 / 情動機能 / 発達支援 / 心理劇 |
Research Abstract |
研究の概要 (1)広汎性発達障害の情動表出と情動理解の促進を目指した支援として心理劇に着目した。対象児の特徴に応じた支援の在り方について考察し、広汎性発達障害児のポジティブな情動表出と、心理劇のディレクターの行動及び発語の関連について検討した。 (2)「気持ちの理解」をテーマとした心理劇の事例を報告し、情動表出と情動理解の促進における心理劇適用の意義と課題について考察した。 結果 (1)広汎性発達障害の表情は、ポジティブ、ネガティブ、ニュートラルに分類した。ディレクターの支援については、動作(指示・介入、促し、見守り)と発語(注意喚起、指示・介入、繰り返し、質問確認、傾聴)に分類した。両者の関連について分析した結果、広汎性発達障害の特定の表情とディレクターの特定の支援に関連があるのではなく、対象者の個別性に応じてディレクターが支援の在り方を変えていることが示された。また、対象者における表情表出の特徴を考慮して、情動表出や情動理解の側面を支援していく必要があることが示された。 (2)情動表出の促進を支援するにあたっては、対象者の日常生活に関連の深い場面に焦点化することが有効であることが示された。情動語の理解と使用については、対象者の個人差が見られ、特定の情動を特定の場面と結び付けて理解している事例や、情動の類似性について理解していない事例が見られた。これらの点については今後の課題であるが、ディレクターが対象者の発言を言い換えることや、類似した情動語を使用することで、情動表出及び情動理解を促すことが期待される。
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