2010 Fiscal Year Annual Research Report
児童養護施設における家族支援に心理職が関わることの有効性に関する検討
Project/Area Number |
22730531
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田附 あえか 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (60550556)
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Keywords | 児童虐待 / 児童養護施設 / 家族支援 / 施設心理職 / 家族療法 |
Research Abstract |
本年度,実施した研究は, 1児童福祉施設における家族支援に関する研究のレビュー 2全国の児童養護施設における家族支援の実態調査 であった。 1については,わが国で公表されている児童福祉施設における家族支援に関する研究をまとめると,(1)児童相談所・市町村・児童福祉施設等における治療的・心理教育的グループ支援プログラムの開発、紹介、実施報告、および効果についての検討、(2)虐待が生じる家族、および虐待を行う親の特性や力動に関する調査や研究、(3)虐待を行う親に対する支援の事例研究または質的研究,の3つにまとめられた。 今後の課題としては,被援助動機づけの低い家族へのアプローチに関する研究,障害を抱える子ども等,養育困難に至るリスクの高い親への障害別の支援,児童虐待が生じる背景に関して,親個人の特性とともに家族や家族を取り巻く環境全体の関係性を視野に入れた研究,が求められることがわかった。 2の実態調査については,全国679(平成22年6月現在)の児童養護施設のファミリーソーシャルワーカーおよび心理職に対して,児童養護施設における家族支援の実態調査を行った。246施設から回答があった。現在、心理職として家族支援を行っているものは限られていることがわかった。一方で、心理職が家族支援にかかわることにある程度期待すると回答したファミリーソーシャルワーカーは一定数おり、また心理職としても家族支援に関わりたいと考えているものも多いことが分かった。実施されていない理由としては,勤務形態による時間不足や子どもの心理療法が中心であること,心理職としての経験のなさ、また施設文化が影響していることがわかった。
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