2012 Fiscal Year Annual Research Report
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22730535
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
伊東 朋子(鈴木朋子) 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (60422581)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 心理学史 / 知能検査 / 臨床心理学 / デジタルアーカイブ / オーラルヒストリー |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本知能検査史を整理し、日本における歴史的な知能検査用具や手引き、検査記録用紙等を画像データ化し、知能検査デジタルアーカイブを構築することである。本年度では、主に以下の4点を行った。 ①知能検査の用具・手引き等の資料収集:前年度に引き続き、入手可能な知能検査資料および原本を収集した。具体的には、脳研式知能検査、三宅による「知力測定法」、鈴木ビネー、鈴木ビネー改訂版に関する資料や検査用具を収集し、整理を行った。 ②知能検査開発者への面接調査によるオーラルヒストリーの収集:知能検査開発者や後継者に反構造化面接にて面接調査を行い、オーラルヒストリーを収集した。本年度に実施した面接調査は、長谷川式知能検査スケールおよび改訂式長谷川式知能検査スケール開発者の長谷川和夫氏、鈴木ビネー改訂版を出版した古市出版代表古市龍雄氏の2名である。面接調査協力者からは、知能検査改訂版発表への経緯、具体的な工夫点、知能観などを聞いた。録音した音声は、面接協力者の了承を得てテキストに書き起こし、デジタルアーカイブの資料として用いる準備を進めている。 ③学術雑誌における知能検査の出現頻度調査:「心理学研究」の前誌とされる「心理研究」の創刊号から戦前まで、知能検査の出現頻度の調査を行った。知能検査は、検査形態別、および、検査名別に整理し、年代ごとに、どのような検査が用いられているかを検討した。④研究の公表:本年度までの成果として、ビネ・シモン式知能検査の日本における発展の歴史をInternational Congress of Psychology(2012/07:Capetown)で発表した。日本心理学会(2012/9:専修大学)にて「脳研式知能検査」の歴史を発表した。心理学実験機器データベース研究会(2013/3法政大学)にて、知能検査データベース作成上の課題を整理し、報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
知能検査オーラルヒストリーの収集は、現在頻繁に使用されている知能検査(WISC、鈴木ビネー、田中ビネー、長谷川式)は終了した。また、WAIS、脳研式の関係者に対しては、インタビュー日程調整段階に入っている。そのため、オーラルヒストリー収集に関しては、期間内に終了が見込める。 反面、デジタルアーカイブの準備、Web公開準備については、マンパワーの不足からやや遅れがみられる。
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Strategy for Future Research Activity |
①知能検査の用具・手引き等の資料収集と特徴分析は、前年度に引き続き学問領域を越えた知能検査資料を収集する。 ②知能検査開発者への面接調査によるオーラルヒストリーの収集と分析は、前年度に引き続き面接調査を行い、オーラルヒストリーを収集する。 ③デジタルアーカイブ構築 Web公開準備として、収集した資料を整理し、デジタルアーカイブを構築する。 ④成果の公表 今までの研究成果の公表として、国際学会等で発表を行う。
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