2010 Fiscal Year Annual Research Report
問題行動及び学級の荒れを抑止する教師の関わりについての研究
Project/Area Number |
22730538
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
加藤 弘通 静岡大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (20399231)
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Keywords | 問題行動 / 生徒指導 / 学級の荒れ / 教師の関わり |
Research Abstract |
本研究全体を通しての目的は、思春期の児童生徒を対象に質問紙調査を行うことで、「問題行動及び集団的な荒れを抑止する教師の関わり方とその発達的な変化を明らかにすること」であった。 その中で研究開始年度に当たる平成22年度の課題及び目的は、「教師の生徒への関わりについての実践例を収集し、質問紙の項目を作成すること」にあった。この目的を達成するために平成22年度中に以下の2つの調査を行った。1つは、大学生120名を対象に中学生時代を回想してもらい、教師にやられて「嬉しかった関わり」と「嫌だった関わり」についての自由記述を収集した。もう1つは、中学校1~3年生507名を対象に同様の調査を行い、教師の関わりについての自由記述を収集した。 以上の調査を通して、これまでほとんど検討されてこなかった「生徒が嬉しい/嫌だと思う教師の関わり」についての大量のサンプルが具体的なレベルで収集できた。大学生のサンプルと中学生のサンプルを比較することで、教師の関わりのなかで、生徒の評価が変化した関わり、及び不変的な評価をもつ関わりを明らかにすることができた。また中学生の自由記述のサンプルを中心に、質問紙を作成することが可能になった。それをもとに平成23年度は、この質問紙を実施することで、これまで心理学研究において、ほとんど作成されてこなかった具体的なレベルでの「教師の関わり」尺度を作成することができるようになると考えられる。
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