2013 Fiscal Year Annual Research Report
学生の自殺予防におけるコミュニティ・モデルの有用性に関する研究
Project/Area Number |
22730545
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
杉岡 正典 香川大学, 学内共同利用施設等, 講師 (70523314)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 自殺予防 / コミュニティ心理学 |
Research Abstract |
本年度は,大学生を対象に自殺予防教育を行った。予防教育の実施には,事前に対象者に対して十分な趣旨説明をして,対象者の負担にならないように心掛けた。最終的な対象者は7名であった。約90分の介入を行ったところ,「自殺は救える命であることが分かった」「友達関係が大事だと思った」「周囲に困っている人がいたら,否定せずに傾聴しようと思った」など,様々な感想が聞かれた。おおむね,教育内容が伝わっていることが分かった。 その一方で,「困っている人に自分が何ができるのか不安になる」「自分がかかわることで相手を余計に困らせないかと思う」「こちらが重く感じる」など,援助することへの不安や負担感に関する記述もあり,今後は,援助者を援助する視点も重要になると思われた。 学生相談事例を分析(カウンセリング・コンサルテーション)では,希死念慮のある学生の心理的特徴について検討した。希死念慮を語ることは,「cry for help]として捉え,どのような状況でどのような助けを求めているのか検討することが有効であった。とりわけ,学生相談事例では,希死念慮と青年期心性とのかかわりが示唆された。希死念慮を持つ学生の多くは,これまでの家族関係において葛藤や欠損を抱えており,心理的な親離れ,社会的自立,異性との親密性といった青年の課題に対処できずにいた。第2の分離個体化のプロセスにおいて,両親に対するアンビバレントな感情を保持できず,怒りや不信の感情を持て余していることが分かった。 このような場合,学生相談では,カウンセラーが一人で当該学生を抱えるのではなく,指導教員をはじめとした他の学内支援者,家族,学外の医療・相談機関と連携していくことが必要であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)