2010 Fiscal Year Annual Research Report
周産期医療における「きょうだい」を含む家族支援に関する基礎的研究
Project/Area Number |
22730549
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
長濱 輝代 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 講師 (40419677)
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Keywords | 家族支援 / きょうだい / 周産期医療 / 心理的介入 |
Research Abstract |
本研究は周産期医療の家族関係育成の可能性について、(1)きょうだいに関する問題点の把握、(2)医師、看護師、ソーシャルワーカー、保健師、両親、きょうだい自身の立場による"問題点の差"の明確化、(3)家族関係や問題の予後把握を行い、周産期医療における家族支援のプログラム開発に向けた基礎的研究を行うものである。 平成22年度の研究における具体的成果は以下の通りである。(1)に関して、母体-胎児集中治療室入院中への妊婦に毎週インタビューを行った。きょうだいへの「育児環境」や「心理的影響」への心配、面倒をみることができないことに対する「罪悪感」などが語られた。また、新生児集中治療室内に入室できないきょうだいの過ごし方の実際についても行動観察を行った。(2)に関して、総合周産期センターと地域周産期センターにて、毎週看護師とのカンファレンスにてきょうだいを含めた家族背景について検討を行い、保護者不在のためきょうだいが園や学校を休まざるを得ない現実が明らかになった。(3)に関して、極低出生体重児のためNICUに入院し、現在4歳の子どもと家族58組に調査を依頼し、そのうち10組にインタビューを行った。きょうだいの構成は様々であるが、NICU入院時の兄姉の世話、心理的不安定(赤ちゃん返りやチックなど)、弟妹については出産や発達に関する保護者の不安が明らかになった。これらインタビューや現在NICU入院中の患児のきょうだいに対するインタビューやアンケートについては次年度の課題である。また、本年度内に遂行を予定していた地域での問題点把握(保健師とのカンファレンス)、きょうだいへの心理支援活動を実施している東北地方大学病院視察・カンファレンスは震災のため延期となっており、順次遂行していく予定である。
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