2012 Fiscal Year Annual Research Report
うつ病休職者の同居家族における負担と家族の支援に関する研究
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22730554
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Research Institution | Atomi University |
Principal Investigator |
酒井 佳永 跡見学園女子大学, 文学部, 准教授 (60349008)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 気分障害 / 家族支援 / 介護負担 / スティグマ / リハビリテーション |
Research Abstract |
平成22~23年度に実施した気分障害患者家族のサポートニーズに関する研究、および医療機関における気分障害患者家族の支援プログラムの実施状況に関する研究により、気分障害患者の家族に対する支援は必要とされているものの、マンパワー不足、家族支援を医療の枠組みの中で行うことの困難、家族のニーズが把握できていない等の理由により未だあまり実施されていないことが明らかになった。 そこで平成24年度には、気分障害患者家族への支援の必要性、および必要な支援内容をさらに検討するために、以下の2つの研究を実施した。 第一に気分障害患者を介護する家族が抱える負担と必要なサポートに関する海外の研究をレビューした。その結果、ほとんどの家族が負担を感じていること、負担は症状による行動、経済的な問題、患者との関係などにより引き起こされていること、負担を軽減する介入は社会経済的な損失の面からも重要であることが示唆された。この結果から家族への支援では、疾患や症状についての正しい知識、症状への対処方法、同じ体験をもつ家族との体験の共有などが有用だと考えられた。 第二に、気分障害患者が家族との関係において体験するサポートやスティグマに関する研究を行った。対象者の75%が家族からのサポートを体験しており、その内容は経済的援助などの具体的サポート、心配してくれる、話を聞いてくれるといった情緒的サポートのほか、自分の状態を理解し受け入れてくれるということも挙げられた。一方で、家族からのスティグマを体験した患者も約25%おり、その内容は病気のレッテルを貼られた、症状を責められた、拒否されたなどであった。これらの結果から、多くの患者が家族にサポートされていること、疾患や症状に関する誤った知識や偏見が患者と家族の関係にネガティブな影響をもたらす可能性があるため、家族への心理教育は重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)