2012 Fiscal Year Annual Research Report
「攻撃性と安全基地スクリプトアセスメント法」による愛着パターン分類についての研究
Project/Area Number |
22730568
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
工藤 晋平 京都大学, グローバル生存学大学院連携ユニット, 特定准教授 (70435064)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 心理検査 / 愛着 / 表象 |
Research Abstract |
本研究は、親子や成人の臨床支援の場において愛着の観点から重視される親や個人が持つ「愛着表象」の査定について、標準的なAAIと呼ばれる半構造化面接に代わる、より臨床的に用いやすい査定法の開発を目的として、「攻撃性と安全基地スクリプト法」の信頼性と妥当性を確かなものとするものである。 平成24年度は(1)前年度同様に保育の場での調査の継続を行い、3歳から6歳の子どもを持つ母親に対し、1)養育者に対しては標準的な愛着測定法であるAAI(AdultAttachmentInterview)、2)子どもに関する基準関連妥当性の検討を行なえる指標としてCBCLとともに、3)「攻撃性と安全基地スクリプト法」を用いた。当初予定していた調査協力者を得ることが出来、CBCLについての集計を終わらせるとともに、現在AAIおよび「攻撃性と安全基地スクリプト法」の逐語録作成に取り掛かっているところである。しかしながら、予定をしていた(2)医療の場での調査に関しては行うことが出来ず、ここには研究代表者の研究機関異動の問題があった。同様に計画していた海外の研究者との打ち合わせも行うことが出来なかったが、日本語版による実施についての意見交換は、在米の日本人研究者とSkypeを通じて意見交換を行い、訳語の選択、教示の問題、青年を対象とした際の物語作成料の際について情報交換を行った。また、本研究で用いた愛着表象測定法に関心のある国内の研究者との新たな関わりが生まれ、この方法の理論的基盤と臨床的応用の見通しについて、平成25年度の学会発表に向けて準備を行っているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究機関の異動があったために、当初予定していた医療機関における調査を行うことが出来ず、そのため達成度に遅れが生じている。調査実施先として予定している医療機関との調整は出来ているため、すぐに調査協力者の募集に移り、調査を実施していく。 2歳から6歳までの子どもが保育園等に通う母親を対象とした調査については、予定通り終えている。これらについて、逐語録の作成を行っているところであり、昨年度からの遅れについてはほぼ取り戻しつつあるが、逐語録作成およびその分析に時間がかかるため、次年度には外部の業者を利用して達成度を上げていくつもりである。
|
Strategy for Future Research Activity |
調査実施の遅れを取り戻すために、現段階の作業において大きく時間を割くことになっている逐語録作成に関しては、臨時要員または外部の業者にこの作業を委託することとする。 他方、医療機関における調査に関しては、実施予定先となっている医療機関による承諾は得られているため、5月中に調査協力者の募集を行い、順次調査を実施していくこととする。
|
Research Products
(3 results)