2011 Fiscal Year Annual Research Report
うつ病におけるセルフスティグマと否定的自己認知に関する研究
Project/Area Number |
22730571
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
下津 咲絵 同志社大学, 研究開発推進機構, 研究員 (90392448)
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Keywords | セルフスティグマ / 抑うつ / 認知の偏り / 認知療法 / 偏見 |
Research Abstract |
本年度は、うつ病における否定的自己認知とセルフスティグマの関連を検討するために、以下の目的、計画による研究を実施した。 【目的】本研究は、うつ症状を呈した者の認知の偏りと、セルフスティグマとの関連を検討し、疾患回復における自己認知に関する認知的モデルを提唱することを目的とする。 【手続き】 調査対象者:2カ所の研究協力施設へ通院中のうつ病患者、およびうつ症状を持つ患者150名。 調査方法:質問紙への回答。回答にあたっては主治医による文書での説明と同意を実施した。 調査内容:(1)Dysfunctional Attitude Scale(DAS-24-J)::認知の偏りの程度を測定する。24項目。 (2)Center for Epidemiological Studies Depression Scale(CES-D:Radloff,1977;島ら,1985):うつ症状の程度を測定する。20項目。(3)自尊感情尺度日本語版(SE:山本ら,1982):10項目。(4)Linkスティグマ尺度日本語版(下津ら,2006):セルフスティグマの程度を測定する12項目。(5)抑うつのセルフスティグマ尺度日本語版(DSSS:下津ら,2011):32項目 【結果】現在データ回収中であり結果については解析中である(H23年3月末現在回収数124名)。 【意義・重要性】セルフスティグマが高いことは、中核症状の一つである否定的な自己認知を増強し、偏った信念を維持してうつ病からの回復を妨げるだけでなく、受療行動の不遵守や自尊感情を損なう要因となる。このため、本研究により、否定的自己認知とセルフスティグマの回復における認知的なメカニズムを明らかにすることは、うつ病治療へ多大な貢献ができると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた、昨年度の研究1の補足調査、及び研究2については2つの医療施設の協力のもと順調に調査とデータ回収が進んでいる。一方で、併行して質的な調査である研究3に本年度中に取りかかることが期待されていたが、そちらにはまだ取りかかることができていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1(抑うつセルフスティグマ尺度の開発)、研究2(うつ病における否定的自己認知とセルフスティグマの関連)のデータ解析と発表。それらに質的なインタビュー調査(研究3うつ病回復に関わる認知的モデルの検討)を加えて総合的にまとめ、認知モデルを提唱すること。
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