2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730577
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
高瀬 弘樹 信州大学, 人文学部, 准教授 (60345725)
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Keywords | 呼吸 / 知覚情報 / 触圧刺激 |
Research Abstract |
呼吸は自律系と随意系の2つの系により制御されている。本研究課題は,自律的呼吸が中枢神経系のみにより一方向的に制御されるという閉鎖系の制御モデルによる説明を一旦保留し,外的な知覚情報を含んだ開放系の自律的呼吸制御モデルによる説明の可能性を探ることである。実験では,呼吸周期に近い周期の触圧刺激(外的な知覚情報)を身体に加えたときに自律的呼吸が如何に変化するかを実験により検討し,その結果から,外的な知覚情報を含めた自律的呼吸の制御モデルを構築することを目的とする。 H22年度は,呼吸計測器の購入,データ収録・分析用のプログラム作成を行い,データ収録・分析システムを構築すること,また,実験刺激提示システム(触圧刺激提示装置)を構築することを目標とした。呼吸計測器として,胸部・腹部の呼吸運動を非侵襲的に計測するレスピトレース(A.M.I.製)を導入した。呼吸データ,圧力データ,刺激提示データ等の時系列データを収録するシステムとしてCompactDAQ (NI社)を導入し,自作プログラムにより膨大なデータ量を安定して保存可能なデータ収録システムを構築した。 また,触圧刺激提示装置を製作し,実際に予備的な実験を行い,装置の検証を行った。触圧刺激提示装置システムの構築では,まず,(1)ステッピングモータを動力源とした触圧刺激提示装置を作成し,次に,(2)触圧刺激パターンを制御するシステムとしてCompactRIO (NI社)を導入し,プログラミングソフトウェアLabVIEWを用いて,上記の触圧刺激を任意の周波数(人間の呼吸周期周辺)で提示することが可能なプログラムを作成した。 上記実験システムを用い,外的な知覚情報(触圧刺激)により自律的呼吸が変化するか否か,H23年度以降,実験により検討する。
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