2010 Fiscal Year Annual Research Report
海馬関連ネットワークの構築・維持と記憶形成に対するコリン作動性入力の研究
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22730583
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
岡田 佳奈 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (50528263)
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Keywords | 生理 / 神経回路網 |
Research Abstract |
本研究では、まず、海馬関連ネットワークの記憶機能と機能分化にMS/vDBとnBM由来のコリン作動性入力がどのように関わっているのかという、ネットワークと機能分化の検討を行う(機能分化的メカニズムの研究)。加えて、コリン作動性入力の遮断による海馬関連ネットワーク内のアストロサイトや神経細胞の変性が、ネットワーク全体の崩壊と記憶障害を引き起こすメカニズムを経時的に検討する(時系列的メカニズムの研究)、とともに、記憶の種類と担当するネットワークによってそのメカニズムが違うのかどうかを検討する(両研究の統合)。そこで本年度は、海馬関連ネットワークの空間記憶・エピソード記憶機能におけるMS/vDBとnBMのコリン作動性入力の役割の違いを調べた。イムノトキシン細胞標的法によって、MS/vDBコリン作動性ニューロン損傷マウスとnBMコリン作動性ニューロン損傷マウスを作成し、オープンフィールド課題、空間参照記憶課題、空間作業記憶課題を用いて、行動におけるその損傷効果を調べた。損傷マウスは、空間参照記憶課題と空間作業記憶課題において障害を示した。この障害は、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の投与によって回復した。さらに、課題中の行動分析より、コリン作動性ニューロン損傷や損傷動物に対アセチルコリンエステラーゼ阻害剤投与によって動物の情動性に変化が起こることが示唆されたため、新しく、情動課題である高架式十字迷路課題やresident-intruder課題を計画し、準備している。コリン作動性ニューロン損傷による海馬関連ネットワークの組織学的変容に関しても解析を行っているところである。
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Research Products
(1 results)