2011 Fiscal Year Annual Research Report
認知症患者の潜在症状を利用した介護・支援技術の開発
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22730587
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
緑川 晶 中央大学, 文学部, 准教授 (90421833)
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Keywords | 前頭側頭葉変性症 / 前頭側頭型認知症 / 残存能力 / 認知症 / 顔認知 / 選好注視法 |
Research Abstract |
平成23年度は選好注視法を用いて,特に重症度が高くコミュニケーションが著しく困難な認知症患者を対象にその残存機能について検討を行った. 今回対象としたのは70代の女性で,前頭側頭葉変性症fronto-temporal lobar degeneration : FTLDによって,前頭側頭葉が著明に萎縮し,それとともに言語能力と自発性が重度に障害された患者で,FAST functional assessment stagingやCDR clinical dementia ratingでは最も重度に分類される状態であった.しかし家族からは,意識は保たれ,顔の認知場面などで視覚認知能力も機能しているのではないかという主観的な報告がなされたことから,この点を客観的に確認するため,この患者に対し,未知の顔写真を用いて直前に提示した顔(既知顔)と未知の顔(未知顔)を対提示し,その時の眼球運動の計測を行った.その結果,サイドバイアス(一方向にへの注視の偏り)が認められたため,選好注視による分析では,既知顔と未知顔のあいだに有意な差は確認することができなかったが,ファーストルック(最初に視線を動かすこと)に対する潜時で明らかな差が認められ,既知顔と未知顔を見分けていることが確認された. 次に,介護者の顔と未知の顔を見分けることができるか否か検討するために,同性・同年齢の顔写真を撮影し,刺激作成の準備を行ったところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
継続的に対象としている患者が途中で肺炎となり,予定していた実験を実施するのが遅れたため.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き重症度の高い認知症患者の認知機能を実験的に検討することに加え,認知機能が比較的保たれた患者の潜在的な能力や介護者の評価との関連を検討する.
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Research Products
(12 results)