2010 Fiscal Year Annual Research Report
北海道の高校統廃合に関する研究~道北地域の事例を中心として~
Project/Area Number |
22730599
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
高橋 亜希子 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (90431387)
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Keywords | 高等学校 / 学校統廃合 / 青年期 / 北海道 |
Research Abstract |
北海道教育委員会は2006年8月に「新たな高校教育に対する指針」を発表し、1学年3学級以下の道立高校は、原則として近隣校と再編整備する指針の素案を公表した。平成22年度はその「新しい高校教育に関する指針」導入後の状況に焦点を当て、(1)北海道における高校統廃合の文献資料(論文資料、教育委員会資料等)の収集、(2)北海道の高校教員の研究会参加、(3)常呂高校訪問を通した地域キャンパス校制度の現状の検討、(4)美瑛高校の4者協議会の訪問等を通した地域自治体と高校の関係性の考察、の4点を通して、北海道における高校統廃合の現状を検討した。その結果、指針の導入により統廃合の数値基準が示されたことにより、生徒数確保のための高校間競争や交通費支出など高校側や自治体の負担が生じていること、新たに導入された地域キャンパス校制度も学校間の距離や異なる学校文化の存在によりまだ十全に機能していないこと、統廃合の決定権が教育委員会にあり高校の存在する自治体にないため、地域の将来計画や学校の将来像に対する双方のずれがあること、などの課題が明らかとなった。しかし、常呂高校の原生花園の保護活動やカーリング支援、美瑛高校での4者協議会など、地域高校において地域の特色や資源と結びついた独自の実践が行われていることも明らかとなった。次年度は、(1)旭川市近郊における高校統廃合事例に関する聞き取り調査(愛別高校、北斗商業高校)(2)現在進行中の根室高校、根室西高校の統廃合過程の追跡(3)地域高校の訪問(村立おといねっぷ高校など)を通し、道立高校と地域自治体の関係性をより明らかとし、双方の協力の可能性を探っていく予定である。
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Research Products
(1 results)