2011 Fiscal Year Annual Research Report
自律的な校内授業研究を支援するための事後検討会の分析方法の開発とその効果
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22730602
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
姫野 完治 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (30359559)
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Keywords | 教師教育 / 校内授業研究 / Lesson Study / 自律性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、校内授業研究における事後検討会を分析する枠組みを開発すること、その枠組みをもとに学校・教師自身が、自校の校内授業研究会を分析し、その結果をふまえて継続的に校内授業研究を推進することによる効果を解明することである。本年度は以下の二つの研究を行った。 1)校内授業研究及び事後検討会に対する管理職と現職教師の意識調査の分析 校内授業研究は全校種において推進され、教師の授業力向上にとって重要な役割を担っているにも関わらず、その実際や現職教師の意識は、これまであまり研究されてきていない。そこで、公立小中高等学校における校内授業研究の推進者(管理職・研究主任等)を対象とした【学校調査】と、教師(教諭・講師等)を対象とした【教師調査】を、2010年度に行った。回答校数は354校(回収率81.0%)、有効回答者数:は5178件であった。本年度は、両調査結果の分析を行った。 管理職や研究主任等を対象とした学校調査では、各校種における校内授業研究が行われている頻度、実施形態、外部指導者との連携、管理職から見た教職員の同僚性や力量向上への意識、具体的な校内授業研究に取り入れている方法等を明らかにした。一方、現職教師を対象とした調査では、各教師が校内授業研究で授業者になる頻度をはじめ、教師自身が参加した校内授業研究の中で学びの多かった研究会の特徴を整理した。また、現職教師が今後の研究会に積極的に取り入れたいと考える方法等を明らかにした。 2)校内授業研究の分析方法の開発とフィードバック 秋田市内の小学校および中学校で行われた校内授業研究および事後検討会を分析し、学校・教師へ分析結果をフィードバックした。校種によって、校内授業研究の実施体制や方法が異なる中、どのような形で分析結果をフィードバックすることが今後の推進に寄与するのかを検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最大の目的は、校内授業研究を各学校が自律的に行うための事後検討会の分析方法の開発であるが、その前提として現在教育現場で行われている校内授業研究の実際の様子や教師の意識を分析することが重要と考えている。本年度は調査結果の分析を主としながら、実際の学校においても分析とフィードバックを行っており、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究において管理職や現職教師を対象として質問紙調査を行ったところ、同じ県内であっても地域によって校内授業研究の実施方法や教師の意識に違いが見られた。来年度は、秋田県と北海道という異なる地域の学校を対象として、開発した分析方法を試行する予定であったが、本調査結果を鑑みると、複数の都道府県壷またいで研究を進めるよりも、まずは秋田県内の多くの市町村で研究事例を蓄積することが重要と考えている。本調査の市町村別の結果、および全国学力・学習状況調査の結果をもとに、いくつかの市町村に焦点をあてて研究事例を積み重ねていきたい。
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Research Products
(4 results)