2010 Fiscal Year Annual Research Report
幼児の数量発達に対する保育者の信念と促進的支援の効果に関する研究
Project/Area Number |
22730605
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
榊原 知美 東京学芸大学, 国際教育センター, 講師 (20435275)
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Keywords | 発達心理学 / 幼児教育 / 数概念 / 保育者 / 保育活動 / 観察 |
Research Abstract |
本研究は,幼児の自発的興味を尊重する日本の保育実践の文脈のなかで,幼児がより高度な数量知識を獲得していく過程を解明することを目的とする。平成22年度は,幼児の数量発達に対する保育者の信念と具体的な数量支援のあり方に関する次の3点を行った。 第1に,日本の保育者を対象に実施した幼児の数量発達と支援に関する面接・質問紙データの分析を進めた。さらに,日本の保育の文化的特徴をより明確に把握するための比較文化的データとして,米国マサチューセッツ州の保育所において,幼児の数量発達と支援に関する保育者への面接を行った。第2に,日本の幼稚園6園10クラス(年長)の保育活動の記録をもとに,数量に関わる保育活動の頻度と種類,およびそのような活動における保育者の支援の内容について詳しく検討した(榊原,2011)。第3に,4歳児のコマ遊びに注目して,幼稚園での自由遊び場面の観察データの分析を行った(Sakakibara & Takagi,2010)。その結果,子どものコマ遊びに対する保育者のコメントが,子どもの自発的探索をコマ遊びの数的・物理的側面に方向づけ,活動を数的・物理的に意味あるものへと発展させる役割を担っていることが示唆された。また,子どものコマに関わる探索行動がより複雑なものへと発展していく過程では,ブロックなどの玩具が効果的に使用される様子も観察された。周辺的な媒介物の適切な配置が,子ども自身による環境の操作を可能にし,より複雑な数的・物理的探索が促されることが示唆された。
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Research Products
(4 results)