2010 Fiscal Year Annual Research Report
デューイ教育思想の政治哲学的検討-共同体論的再解釈の可能性と課題の解明-
Project/Area Number |
22730606
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
生澤 繁樹 上越教育大学, 大学院・学校教育研究科, 講師 (70460623)
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Keywords | ジョン・デューイ / コミュニタリアニズム / 教育思想 / 政治哲学 / デモクラシー / 社会正義 / リベラリズム / プラグマティズム |
Research Abstract |
本研究の目的は、ジョン・デューイの教育思想を現代英米圏の政治哲学・政治思想研究の学術的動向のなかに位置づけなおし、その今日的な意義と射程について再検討しようとするものである。本研究では、とりわけ現代コミュニタリアニズムの政治哲学によるデューイの共同体論的再解釈の可能性とその課題を解明するという視角からこの目的を遂行し、「教育」と「政治」の方法を結ぶ新たな研究領域を開拓する。本研究計画の初年度にあたる平成22年度は、文献調査を中心的な方法として、ジョン・デューイ再解釈の可能性とその再評価をめぐる課題の解明作業に着手した。まず、前年度報告を行なった研究発表の成果と課題を引き継ぎなら、現代コミュニタリアニズムの諸理論を精査しつつ、デューイ共同体論的再解釈に関する先行の研究を踏まえて発展的に文献研究を進めた。この成果の一部は『教育哲学研究』第101号、『近代教育フォーラム』第19号、『日本デューイ学会紀要』第51号の各学会誌、および日本デューイ学会設立50周年記念論集『日本のデューイ研究と21世紀の課題』(世界思想社)に順次、論文としてまとめられ刊行された。また、これらの論文発表に加えて、『イギリス理想主義研究年報』第6号、『教育哲学研究』第102号では、デューイと20世紀アメリカ政治思想史に関する研究書の書評執筆を担当し、教育哲学会等の関連学会・研究会にて研究発表も行った。さらに10月には、シカゴ大学、ネブラスカ大学を訪問するとともに、ネブラスカ大学のHalla Kim氏との研究交流を介して、Global Studies Conference, University of NebraskaにてデューイのDemocracy and Education (1916)の受容と影響に関する研究報告および資料収集をする機会を得た。
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