2010 Fiscal Year Annual Research Report
戦後私学制度の展開・再編過程における制度変化に関する実証的研究
Project/Area Number |
22730609
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
荒井 英治郎 信州大学, 全学教育機構, 講師 (60548006)
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Keywords | 教育学 / 私学制度 / 制度変化 / 政策過程論 / 教育行政 |
Research Abstract |
本研究の目的は、戦後形成された私学制度の再編過程のメカニズムを分析することである。特に、本研究では、戦後私学制度の制度展開期(1970~80年代)と制度再編期(1990年代~現在)の2期間を主な分析対象とすることとなっているが、平成22年度においては、(1)先行研究では未活用の「一次資料群」の収集、(2)教育研究では軽視されてきた「当事者インタビュー」、(4)戦前期における私学制度及び戦後私学助成に関する政府解釈の分析、(4)「制度分析」の理論枠組みの再検討といった3つの基礎的作業を行った。 第1に、「一次資料群」の収集作業として、国立国会図書館及び国立公文書館等において、各種教育審議会(中央教育審議会、臨時教育審議会)の議事録等の収集(閲覧・収集)を行った。 第2に、「当事者インタビュー」として、教育政策におけるキーパーソン(元文部官僚1人、現役文部官僚2人、私学関係者1人、マスメディア関係者1人)に対するヒアリングを実施した。 第3に、制度変化の状況把握として、戦前期における私学制度の分析及び戦後私学助成に関する政府解釈の分析を行った。 第4に、「制度分析」の理論枠組みの再検討として、従来の教育制度研究における制度概念・対象・視角に関する先行研究レビューを行った。 これらの作業は、政策の事後的紹介に留まる先行研究に対して、分析対象を前決定過程(課題設定・政策形成など)にまで拡大し、政策過程の規定要因を究明する作業と同義である。また分析枠組みの再検討の作業は、ケーススタディに終始した先行研究と比べて、一般化・理論化、因果関係の析出を企図するものである。
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Research Products
(4 results)